【不親切な漫画評】『少年ジャンプGIGA 2025年秋号』

わたくし、漫画やアニメを四六時中見ておりましてね。特に『ハイキュー!!』と『僕のヒーローアカデミア(通称ヒロアカ)』が大好きなのです。

そのヒロアカのアクスタやらシールやらカードやら、付録が豪華すぎると話題沸騰だった雑誌『少年ジャンプGIGA』

まんまと購入ですよ(笑)。

付録に満足したのはもちろんなのですが、雑誌の作品たちもとても面白くてですね。少年ジャンプ編集部という組織の、漫画への本気を垣間見ました。アンケートがついておりまして、内容は「面白いと思った作品を教えてください」というもの。でも、アンケートだけじゃ語り切れない!だってアンケート、作品の番号を記入するだけなんだもん!

かん

面白かった作品はもっと褒め倒したい!!

そこで、雑誌に掲載されておりました読み切り作品19作品!全て感想を述べていきたいと思った次第でございます!

19作品の感想はさすがに量が膨大ですので、気になる作品のところだけご覧いただくことをおススメします。各作品評の見出しに満足度も記載しておきます。あらすじなどの詳細はありません。読んだ人には分かる、という体で進めますので、大変不親切な評となっております。

連載途中の作品『ブラッククローバー』や特別ショートは対象外とします。

総評にて、ジャンプ編集部の本気について感じた部分も記載しますので、よければご覧ください。

かん

全部で1万字くらいあります!長いのでお気をつけて!!

目次

読み切り作品評

「宿借るふたり」蟹肝アメリ(満足度◎)

綺麗な絵。主人公の繊細さとアクションシーンの迫力が両立している。素晴らしい力量。

表情の動きも魅力的。喜怒哀楽や、その他の微妙なニュアンスも読者はストレスなく受け取ることができる。

バトルシーンの迫力も申し分なし。装備や乗り物など細かなところの描き込みも見事。

主人公が2人とも魅力的。ヤドカリちゃんのボケもちゃんと面白い。主人公が笑っているところで読者が同調できる。

人の表情や動物は魅力的に描けているが、サブキャラのポージングがややぎごちない。頬杖をついていても「ちゃんと手に顎乗ってる?」と不安になる。

「桜火」中風蒔(満足度○)

味のあるタッチ。迫力がある構図と絵が描けるのも武器。ただ、迫力がある分絵が粗くなりがちなので、細かいところはペンを変えるなど検討しても良いのではないか。

漫画を描き始めて1年経っていないようなので、画力はまだまだ向上する可能性大。

ストーリーも綺麗にまとまっていた。コマ割りがシンプルなのも読みやすさに繋がっていて好ましい。シンプルとは言え、魅せたいところを見開きにするなどのメリハリが効いているので単調に陥っていない。紙面の情報にあった通り、映画をよく観ているが故の優れた構成力であろう。今後は「効率よく、無駄なく、綺麗なまとまり」の一角を少し崩して読者を「おっ」と驚かせるような要素にも挑戦してほしい。

蛇足かもしれないが、セリフに「…」が多い気がする(『名探偵コナン』もその傾向あり)。効果的に使えば「…」はとんでもない威力や余韻を発揮するが、多用してしまうと「無駄なタメが多いな」というストレスに繋がるので「ここぞ!」という時に絞って使うことを勧める。

「工業地帯ヤバイ」加藤優汰(満足度○)

流麗な絵。動きのある描写も綺麗。

あくまで個人の印象だが「上手でしょ?ねえ、私の絵超うまいよね?」という圧もちょっと感じる。だからこそ大胆な構図が描き切れているのだと思うが、ストーリで魅せる!という意気込みももう少し紙面で感じたい。

身体の動きは違和感なく綺麗だが、表情があと一歩。「喜怒哀楽」の突き抜け方が足りない。驚いている場面も激怒している場面も表情が硬いので感情移入しにくい。表情筋の仕組み、動きを研究する必要あり。

主人公のお友だちがいいキャラ。数コマしか出てこないがとても好き。

「HISUI」来田ミツキ(満足度👑)

GIGAで一番笑った作品。卓越したギャグセンス。短編でここまで笑ったのは初めてかもしれない。

ボケが主人公、ツッコミがヒロインという役割分担。ツッコミが的確かつ鋭い。痛快。ここまで鋭いツッコミをヒロインが実施、という分担は成功だったと思う。「イライラしないヒロイン」を描くのは本当に難しい。女性に嫌われないために過剰に優秀な(あるいは尖った)ヒロインが作られる傾向があるが、その絵空事感に余計イライラする。「女性読者に嫌われない女性キャラ」が描けるというのはもはや財産。今のところ、これが完璧にできるのは冨樫義博先生と鳥山明先生、芥見下々先生など数えられる程度。来田先生もそれができている。すごい。

女性に慕われる女性って、現実にいくらでもいる。漫画家先生方には、もう少し女性キャラについて勉強してもらいたい。「自分の願望を投影するだけ」は「逃げ」だ。

また、メインキャラが魅力的。共感、感情移入ができる。ヒロインとヒロインの父で衝突する場面があるが、どちらも理解できる言い分。片方がメチャクチャなことを言って読者がゲンナリするパターンが後を絶たないので、ゲンナリを阻止してくれた功績は大きい。ヒロインたちの衝突を解決へ導く主人公の温かさも申し分なし。主人公はボケであるがバカではない(ここ、超大事)。

絵が単調で「もう一歩」というところかもしれないが、うまくなりすぎるとギャグ要素が薄れるというか、面白いネタが面白くなくなってしまう恐れあり。ギャグ、シリアス、絵柄のバランスが絶妙なところで成り立っているので、このままのタッチでいってもらいたい気もする。

「土人形が夢のあと」東条指之介(満足度👑)

GIGAで一番泣いた作品。

特筆すべき新しさはないが、「おじいちゃんと子どものひたむきさ、懸命さ」というのは無条件で泣ける。

悪役っぽいキャラがそこまで悪役じゃなかったのも良かった。かといって、途中で掌を返すような不自然さはなく、彼なりの筋が通っていたのも好印象。極端な悪役をひねり出さなくても、スケールの大きな良作はできるという証明になった。

コマ割や絵での魅せ方については伸びしろあり。迫力が足りないので、クライマックスでひと回り大きなコマや奥行きがあると良かった。

メリハリをつけるためにギャグ要素も必要にはなってくるのだが、いまいち面白みに欠けた。この作品については、悪役っぽいキャラがドヤ顔で我を通す場面が一番自然な面白さを演出できていたので、無理にコメディ要素を追加する必要はなかったかもしれない。

「漫才三唱」チッチーズ(満足度○)

「政治」というとっつきにくいジャンルに正面から挑んだ勇気を評価。とっつきにくいにも関わらず、短編にうまくまとめ上げたことにもセンスを感じる。「政治の入り口」としては大変良くできた作品なのではないか。

キャラも魅力的。メイン2人の設定、作りこみがしっかりできており、キャラの軸がブレることなく安心して展開を追えた。他のキャラ含め、分かりやすく描き分けてくれたのも良かった。

だが、この作品をきっかけに政治に興味が持てるかどうかについては断言しづらい。順風満帆だった総理大臣にいきなり汚職確定のニュースは少々強引。周囲の誰も何も知らなかった、という雰囲気もリアリティに欠ける。

最大の見せ場、漫才のネタがいまいち面白くなかったのも残念。クスっと笑えるネタではあったが「クスっ」で終わってしまったのと、「広田先生」という内輪ネタが理解不可であった。

総合して、連載になっても見どころや盛り上がりに欠けそう、という懸念が残った。

だが、目の付けどころ、掛け合わせはとても良かったと思う。

「惑星からお義兄ちゃん」かみだしゅんいち(満足度○)

満足度としては、○と△の間くらい。

評価点は、素晴らしい画力。どこもかしこも、一片の手抜きも感じられない。だからこそ、ここぞという場面の白抜き背景が効果的に映える。

キャラについては、姉弟に宇宙人のメイン3人。姉弟ともに、良くも悪くも普通の顔立ち。女性キャラ、男性キャラが複数に増えた際の描き分けができるのか、少々不安が残った。

肝心の宇宙人については、感情移入がしづらいビジュアル。「キモかわいい」というワードが昔あったが、「かわいい」の割合が多くないと、読者は受け入れにくい。しかも主人公とも言えるキャラであるから、なおさら多くの読者に受け入れられなければならないのだが、残念ながら「キモ」の割合が若干多くなってしまい、私は敬遠してしまった。感覚で言うとキモ:7、かわいい:3くらいだったので、割合を逆にすれば好意的にこのキャラを受け入れられたと思う。

いまいち使えない宇宙道具が大量に描かれていたのもマイナス。便利であってなんぼの道具である。設定ありきで道具が作られたのでは、という違和感が残りリアリティに欠けた。宇宙人が出てくる時点でリアリティも何もないが、宇宙人なんだからなんでもありでしょ、というスタンスでは興が覚めてしまう。

「PERIOD」加藤清志郎(満足度○)

初期のガンダム?という印象のタッチ。作者の好きな漫画が「牙刃シリーズ」とのことで「なるほどね」という感じ。

バトルシーンの迫力が素晴らしい。戦い方、決着のつき方もリアル。強敵だからと言って対戦時間を無駄に延ばさないのも好感が持てる。実際、実力が均衡している場合でも、バトルにかかる時間はそこまで長くならないであろう。バトルシーンが「机上の空論」になっていない部分が良かった。

細かいところの背景や表情が粗い。粗さが気になって物語に入り込めないことが多かった。

「地球101日目」蘭八途(満足度○)

かわいらしい、魅力的な絵柄。キャラの懸命な行動、表情が胸を打つ。宇宙人もそれっぽくて良かった。細かな設定が不要なストーリー構成だったので、宇宙人のビジュアルを変に作り込む必要はない。そのあたりの取捨選択にセンスを感じる。

タイムリープものは、作り込みが非常に難しい。結局「なんでもあり」な展開に陥りやすいからだ。そもそも、タイムリープが可能である物理的な証明は現時点でできていないため、リアリティを出すのも難しい。この作品も、結局最後の方は「なんでもあり」になってしまった。宇宙人側が、未来も過去も自由に行き来できるのである。途中で「法律で禁じられている」という描写があったが理由が明示されていないので不完全燃焼。また、地球を侵略に来たという設定も乱暴。侵略に来たのなら手段を選ばず仕掛けるはずで、あの程度の反撃で撤退はしない。説明不足、作り込みの不足が目立った。

「俺とミンミ」白鳥ペン(満足度○)

キャラがみな魅力的。サブキャラも主人公に負けず劣らず魅力的に描けていたので、主人公頼りにならない魅力的な長編も作れそう。

小汚いネタが散見されたので、多分そのあたりの好き嫌いが分かれる。私は正直苦手だったが、「少年漫画」ということを考えると許容範囲かと思われる。

細かいことで恐縮だが、人魚が転校と偽って学校へ侵入するのは無理がある。必要書類が準備できないし、担任が「前はどこの学校だったんだ?」とその場で本人に確認するシチュエーションもあり得ない。手続き上、事前に把握していないとおかしいからだ。

上記の例のように、設定がフワフワしすぎていたのが残念。

「呪いの人形を飼っちゃいけません」田中ナカ(満足度○)

呪いの人形のビジュアルが絶妙に可愛かった。高評価。

その他のキャラは可もなく不可もなく。絵柄にそこまで突き抜けた個性はないので、ストーリーで魅せるのが効果的。起承転結、メリハリの利いた設定であったが、細かいところの作り込みが足りない。

例えばストーリー終盤。呪いの人形ちゃんが連続殺人犯を黒い球に圧縮して事件解決、と言う場面があるのだが、その球は1か月で元に戻るのだという。

1か月、どうするの…?外は必死に連続殺人犯を探しているよ…?脱獄した設定なんでしょ…?

黒い球のまま警察へ提出するのかな?警察は信じてくれるのかな?

ギャグマンガとは言え、設定が雑すぎるとストーリーに入り込めない。

「CRAZY BASH」城本祥(満足度◎)

絵がダントツで上手だったと思う。表情だけでなく、ダイナミックな動き、心の動きも読者に感じさせることができる圧倒的な力量。効果音の表現などもお見事。

ストーリー構成も他作品より頭ひとつ抜けている感じ。起承転結の基本的な骨組みだけではない。見どころや小ネタを随所に仕込んでおり、厚みが増している。それでいて、うるさくない。一歩間違えれば「詰め込み過ぎ」と評価が下がりかねないところを、見事にまとめた。長編など、もう一段高いステージへ上がっても良いのでは。

ひとつ難を言うと、登場人物の紹介がわざとらしい(「俺は○○の○○だぜ!」と自己紹介風に名乗っている)。不自然なので、セリフにせずに文字でプロフィールを添えるだけでよい気がする。

「なくしもの」青彦介(満足度○)

式神がかわいい。マスコット的キャラの可愛さは作品の人気を左右するので、大事にしたい長所。

おどろおどろしさ、「妖」の表現が上手。「異様な空気」がしっかり出せていた。

難としては、全体的にコマがうるさい。クライマックスの見開きは迫力があったが、それ以外は情報過多、かつメリハリに欠けた。

登場人物の表情が乏しい。一番豊かだったのが式神。全員が「感情が表に出にくいタイプ」とも思えないので、感情表現を気持ち大げさにしてもよいと感じた。

「小倉百人一首横恋慕」椎彩人(満足度△)

『ちはやふる』が常にちらついてしまった。百人一首の「金字塔」と言える作品がここ数年で出てきてしまっているので、それを短編で覆す、塗り替える、肩を並べるのは不可能だと言ってしまってよいと思う。

「アガペー召し上がれ」近藤ぶし(満足度△)

ギャグマンガというのは非常に難しい。ジャンル的に「通常」と「理解不能」のギリギリのラインを攻めるタイプの構成であったが、「理解不能」の割合が若干多く「は?」とか「で?」という感想に傾いてしまう。キャラの魅力でごまかす、有耶無耶にする、という手法もあるが、キャラにもこれといった魅力なし。

「はるひかる日々」高田勘(満足度○)

○か△かで正直迷った。「短歌」というマイナージャンルへの挑戦ということで、意欲作としてプラス評価。

短歌の間口を広める、という試みは良いが、肝心の作中短歌作品が魅力不足。心打つ作品もあったが「短歌じゃなくても良かったのでは」という疑問が拭えず。

短歌を広めようとするヒロインの行動も過剰すぎて怖い。生徒たちは次第に「なんか…いいね」と共感を示すのだが、現実はそこまで甘くない。

例えば、歌界の最高峰を引用して読者を圧倒するなどし、短歌の良さとはなんなのか、もう少し掘り下げないと読者に届きにくいと感じた。

「サイボーグ風紀委員の藤原くん!!」横居碧人(満足度○)

◎に近い○。主人公が突き抜けていて素晴らしかった。繰り出す技のネーミングセンスも秀逸。思わず噴き出した。主要登場人物、それぞれに親しみが持てる設定で、ストレスなく読めた。

反して、担任の先生は全く面白くなかった。面白くないどころかノイズになってしまっていたので、完全なモブに徹してもらった方が良かった。

もっともな理由があって「正しさ」に執着する藤原君だが、このままだと頭打ちになる恐れあり。「正しさ」で世界が救われるのならとっくに世界は平和になっているからだ。人の数だけ正義も正しさも存在する。だから世界は混沌としている。そういった現実を、作品が乗り越えられるかどうか。乗り越えた先に『僕のヒーローアカデミア』のような名作が誕生する。

また、「突き抜けたキャラ」も最近は頻繁に登場し、全体的にテンプレ化してきてしまっており、突き抜けキャラのインフレが起こっている。今後は、藤原君的なキャラもさらに一皮剥ける必要があるかもしれない。

「龍と手品師」村埜史樹(満足度◎)

JUMP新世界漫画賞の受賞作とのこと。

完成度が非常に高い。応募作の段階でここまで完成度の高い作品が描ける、という力量に脱帽。勢いのある世界には、優れた才能が次々と集う。少年漫画界はしばらく安泰であろう。

悪役大名のイカレっぷりが見事。話が通じない怖さがこちらにも伝わってきた。のされた顔がかわいくて憎み切れないところも良い。

時代背景をよく調べながらも冗長になっていない。分かりやすく落とし込めている。

ツッコミどころは「こんなに強い足軽いる?」という設定くらいだが、個人的にはフィクションとして許容範囲。

これからの活躍がとても楽しみな漫画家。

「人愛ずる蟲姫」伊路波薫(満足度○)

登場人物と読者と、それぞれの視点を考えた効果的な構成。

時代の過酷さ、人間の残酷さが数コマでよく描けている。どちらかを一方的に悪と決めつけない距離の取り方も心地よい。

気になったのは画力。蟲姫の顔のあざ(?)が、汗なんだか涙なんだかよく分からないコマが散見。体つきで充分個性はでていたため、顔に細工をする必要はなかったように思う。

キャラを引きで描いた時の、全身のバランスもいまいち。小さいコマに全身を描き切る技術を向上させると良いかなと感じた。

かん

以上、19作品でした!!(読んでる人いる?)

垣間見えた少年ジャンプの本気

続きまして、雑誌から随所で感じたジャンプ編集部の本気を、複数の方向から説明します!

豪華すぎる付録

雑誌自体は1500円程度。その雑誌の中に、到底1500円では買えないレベルのアクリルスタンドが付録でついてきました(笑)。アクリルスタンドは、手のひらサイズでも2000円くらいしますので、破格も破格です。

アクスタのみならず、来年のカレンダーに、ポスター、シール、カード、購入者限定通販…どう考えても1500円以上の価値あるものをいただきました。

新人漫画家の作品を、より多くの読者の目に触れさせたい。そんな気合を付録から感じました。

SNSは、付録のアクスタで話題沸騰でしたから、「多くの人の目に触れるように」というジャンプ編集部の目論見は大成功と言ってよいでしょう。

アンケート回収への執念

雑誌を開いてすぐのところに、アンケートハガキがついていました。

切手不要、つまり送料は無料です。

アンケート送付者から抽選で、295名に豪華景品が当たります。

内容は、クオカード、ギフト券、ジャンプ作品オリジナルグッズなど。

恐らく何千通という規模の回答が予想されるため、当選確率はそこまで高くないとは思われますが、「アンケートに答えるだけで景品がもらえるかもしれない」となれば、回答する読者は多くなるでしょう。

ある程度まとまった経費を負担してでも、読者の声を集めたい。それだけ、読み手の感想は貴重なのです。

そして前述の通り、アンケート内容は、面白かった作品の番号を書くだけというシンプルなもの。読者としての負担はそこまで大きくありません。

かん

私みたいな「感想を長々と書きたいんだよ」という層は特殊なのかも…。

裏の作品一覧を見ながらでないとアンケートを埋められない、という面倒な部分があったので、そこは改善を求めます。

持ち込みは100%目を通すという気概

雑誌の終盤では、持ち込み1を歓迎するページが。

1.持ち込み…作り上げた作品を、作者が出版社へ持ち込み、アドバイスや評価をもらうこと。

「少年ジャンプ編集部では、いつでも持ち込みを歓迎します!」

いつでも。文字通り「いつでも」でした。

集英社に直接持ち込む場合は事前連絡を1本。アポを取れば、プロの編集者が必ず作品に目を通し、アドバイスをくれるシステムです。しかも、持ち込み特典として、漫画講座の冊子がもらえます。

諸事情で直接持ち込めない人は、Web持ち込みシステム。アナログ原稿のスキャンでも可、とのこと。Webなので、24時間受付。

かん

どこまで手厚いのだ…!

ビッグコンテンツの芽、才能の芽を、血眼で探していますね…!!!

これだけ恵まれた環境はそうそうありません。

漫画家を目指される方は、絶対にお世話になったほうが良いですよ!と叫びたくなるシステムです。

漫画界の勢いをひしひしと感じることができました。

対照的に、情けない小説界

一方で、小説界、文壇では持ち込み文化が消滅しつつあります。

持ち込み作品は、各出版社が設けている新人文学賞の選考に回されるようです。

上記のような体たらくですから、没落していくのも当然です。そして、既に斜陽産業なのに、どこどなく文学界は偉そうな態度です。もはや「裸の王様」である現状に、いつになったら気づくのでしょう。

かん

もう、さすがに気づいてるかな?それにしては偉そうだけど。

経済規模で貴賤を論じるのはナンセンスですが、一つのコンテンツで何百億の資金が動くのは漫画、アニメです。もう、小説では無理です。世界的な評価も、知名度もダントツで漫画アニメ>小説でしょう。

著名な賞で話題を集めなければ、もう読まれもしない小説。花形の地位回復に必要なことは、「凋落」という現状を受け止めることです。

当ブログでも紹介予定ですが、人生を変える力もある小説。真摯に研鑽を重ね、また花開いてほしいなと願います。

かん

ここ最近は、勢いや凄みのある小説なんてほとんどありませんけどね…。

まとめ

かん

…ここまで読んでくれる人、いるのかな?

というくらいの大長編になりました。

お読みくださった方、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます。

新人漫画家の作品群のみで、ここまで面白さを作れる少年ジャンプ。

間違いなく、時代の先端を駆け抜けています。

活字離れで崖から落下しそうになっていた出版界を、すんでのところで救出したのは漫画、アニメでありましょう。

そういった勢いを実感できた『ジャンプGIGA』でした。

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